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書評「海猫ツリーハウス」

公開日: : 書評記事

 僕が読んだ中でお勧めの本を書評記事として紹介させていただきます。
 今回紹介させていただくのは、木村友祐・作「海猫ツリーハウス」です。
 この話、気持ちが温まるような話ではありません。むしろ背中に刺す痛みを書いています。
 この物語の主人公。ファッションデザイナーを目指してはいるけれど、創作意欲の不振から田舎で無為に過ごしています。夢を追いながら行動できない、多少なりともその気持ちに共感できる人は多いのではないでしょうか。そんな彼の前に反りの合わない兄が農業をやると言いだし実家に戻ってきます。
 兄は主人公を馬鹿にして、仲間の前で物笑いにします。更に「血は繋がっているけど魂は繋がってない」と言い切ります。どこまで本気かはともかくとして。既に争う種が芽を出しています。
 兄は三年越しの片想い相手にアピールするため、ごたくを並べつつも、農業を始めます。そして主人公はバイト先のアーティストである親方に従い、作品作りを手伝います。二人はそれぞれ別の世界に生きています。
 兄弟の目というのは、ある種、残酷なものがあります。互いの事をよく知っているからこそ、欠点や能力、才能まで冷静な視点で読みとられてしまう。そこに優しさがあれば応援もできるのですが、軽蔑し合っていたら……恐ろしい話ではありませんか。
 自分の才能を信じつつも、何も成せずにいる主人公は、遠くの県に行きたがります。しかし、彼に「ここでもできること」という考えはあるでしょうか。なんとなく、抽象的に夢を眺めている。そんな主人公を兄はどう見ているのか。そして戻ってきた兄を弟はどう見ているのか。それがぶつかり合う時、物語は破裂するのです。
 前に進む、その行為が向いている先は何処か。この衝撃作を是非一度ご覧ください。

ブログ開設

公開日: : プライベート

本当はいくつかブログ持ってるんですけど、
佐久本庸介名義でもブログを取得しました。
一角という同人サイトで活動しています。
といっても末端の方でこっそりやっています。
このブログはとりあえず細々と記事を書いていければなと思います。

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  • 佐久本庸介と申します! 山梨県からひらきこもりを掲げ、色々なことにチャレンジしていこうと思っています。第一回クランチノベルス新人賞受賞。ディスカヴァートゥエンティワンより青春ロボットドラッグカラーの空という小説を出版しております。皆様どうかよろしくお願いいたします!
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