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万城目学「ホルモーシリーズ」

公開日: : 書評記事

 今回はあのはんにゃが映画のCMに出演していた「鴨川ホルモー」と、その後継作「ホルモー六景」について紹介させていただきます。
 舞台は京大。主人公が京大青竜会という怪しいサークルの新歓コンパに参加したところ、大変な美人に恋をしてしまいます。
 恋を絡めつつ、京大青竜会の謎が徐々に明らかになっていく流れで話は展開します。主人公たちは過程を踏むうちに「オニ」と呼ばれる神を操ることで、他大学の生徒と試合をするようになります。試合というだけにイメージとしてはゲームに近く、誰かが傷つくとかそういうことはないので安心して読むことができますが、試合の終わりにはそれを覆す衝撃的なシーンが待っています。試合の様子は映画版で極めてよく表現されているので、小説を読んだ後にでもご一見ください。
 この作品。主人公をはじめとして、多少の変人気質を持ったキャラが多数登場します。
 作中に出てくる主人公の友人、高村というキャラが居るのですが、彼は強い非モテ要素を持っています。シャツをズボンの中に入れ、寝ぐせはそのまま。野茂のTシャツで外を闊歩したりと、モテようという発想すらありません。歴史や書に造詣が深い、勉強家というよりオタク気質も併せ持っています。更に物語の中盤ではある事件がきっかけで極めて「奇抜」な髪型に変貌し、この作品のギャグ部分に大いに貢献しています。
 しかし彼の一番の特徴は「良い奴」だということです。
 良い奴と簡単に言いますが、これは人によっては意外と敷居が高いです。自分では良い奴になりたいのに、うわべや不安に阻まれて、なりきれない人も多いのではないでしょうか。そんな中、高村は、友達のために巨大な敵や圧力とも共に戦える、確固たる勇気を持ったキャラクターなのです。基本的に根が優しい、気の弱い存在の高村ですが、危機の訪れた友達にとっては唯一つの支えにすらなったのです。
 そして鴨川ホルモーの続編であるホルモー六景ですが、これは鴨川ホルモーを読んでいないとなかなか楽しめないように書かれているので、是非前作を先に読んでいただきたいと思います。前作では端的にしか語られていなかったキャラクターたちが「恋」をテーマに六編の短編の中で活躍します。
 六編の中には高村が登場する話も収録されています。あの奇抜な髪型の彼が恋をテーマにどういう展開を見せるのか、是非ご一読ください。

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