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コロと歩く

公開日: : プライベート

再起不能の父の見舞いに行った後、雨が上がったので飼い犬「コロ」の散歩に出かけた。
庭はぬかるんでいたが、汚い靴を履いてきたので気にしない。秋田犬だけにでかいコロが強く引っ張るのを抑えながら、ゆっくりと道路に出た。
僕が二十の頃にコロは家に来た。父が「飼い犬を飼うことで寿命が延びる」と言って飼いだしたのだが、その一年半後に再起不能になってしまった。なので今は僕が世話をしている。
コロはもう七歳になる。そろそろ犬としては油がのってきた頃だろうか。残念ながら嫁さんは諦めてもらうしかないが、死ぬまで面倒はみてやるつもりだ。
「お父さん元気だったぞ」とコロに声をかけた。コロは何も反応せず、匂いの向くままに鼻を向けていた。何故こんなことを言ったのだろう。父は別に元気でもなんでもなかった。
幼児がコロを指さし「おっきいワンワン」を言っている。親御さんに会釈して帰路についた。
しばらくして僕も「おっきいワンワン」と呟いた。

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