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コロンブス―大航海時代の起業家 (中公新書)

公開日: : 書評記事

コロンブスといえば新大陸発見の功労者ですが、この本では当地を経営する、経営者としてのコロンブスが書かれています。
ポルトガルへのコネを作るために王の縁者を奥さんに迎えるほどの用意周到さから、かなり早い段階でその流れを見越していたわけです。コロンブスの卵の逸話は嘘みたいですが、それくらいの先見性はあったわけですね。
で、経営の方はというと……。
黄金が現地で見つかったということで、最初は物々交換、すぐに現地民を強制労働させ、とにかく絞り出します。すぐに食糧難になり、本国に救援を求めたりと前途多難です。そのうちに地元民だけでなく、仲間からも反逆者が出て、権力を大いに削られます。
同国民の反逆者をかなりの数、処刑したかどで、本国から派遣された総督に拘束され、ほぼ失脚。その後も航海を試みて成果を上げますが、結局最初に描いた青写真は崩壊し、失意のままに死んでいく、といった感じです。
コロンブスがやった現地民への仕打ちはイザベル女王も驚愕するほどの酷いものでしたが、後々の征服者たちの振る舞いを考えれば、特別驚くものではないです。ただやっぱり彼は冒険家としての才能が抜きん出ていて、経営者としては失敗したのだなあと感じられました。いい本でした。

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