*

精神医療の現実

公開日: : 精神病

去年刊行された「精神医療の現実」という本を読んだ。なかなか面白い本で、投薬治療に対してかなり否定的な内容になっていた。特に離脱症状について詳しく書かれていたのが興味深かった。
離脱症状というのは飲んでいた薬を止めた際に出てくる反動のことで、正直凄まじいものがある。
僕も最近薬を半分に減らした時に、まともに眠ることができなくなってしまって大きく体調を崩した。何日か我慢してみたが、とても耐えられず風邪までひいたので結局、薬を元に戻してしまった。
実をいうと僕は去年、飲んでいた薬の多くを減らすことに成功していた。元々大した量を飲んでいなかったのだけど、徐々に減らしていった結果、頭の回転は速くなり、持病になっていた突発的な不調も緩和の兆しがみえた。クランチノベルス新人賞で忙しかった六月頃には相当な改善がみられていた。
僕はあの時期、薬を減らしていなかったら、多分賞はとれなかったと思っている。それくらい薬というものは強いものなのだと身をもって知ることになった。
「精神医療の現実」では闇雲に投薬治療ばかりする医者による多くの「悪行」が書かれている。安易な治療によって多くの患者が苦しみ喘いでいる、という内容だった。元々治療する必要のなかった人まで、薬を飲んでしまったがために副作用や離脱症状に苦しんでいる、とも書かれていた。一時期「うつは心の風邪」みたいなコピーが流行ったけれど、風邪と一緒くたにされちゃたまらない、という気はする。僕も「お菓子みたいな成分で作られた薬で治っちゃうこともある」だの「お前、虫歯治さないのと一緒だよ」だのいわれて説得されたことがあった。その無知で無責任な言葉を思い出すたびにやるせない気分にさせられる。(仕方ないんだけどね)
僕は病気というものは確実に存在するとわかっているし、自分も確実におかしくなっていたという自覚はある。精神医療を否定する気はないし周りの人が本に紹介されている内容があてはまるという感覚もなかった。ただ思い当たる節もあるのだ。
以前かかっていた医師に僕が突発的な不調で苦しんでいることを伝えたところ、その医師は薬を増やそうとした。僕はそれはやめてくださいと断ったけれど、あれはなんだったのだろうか。なにしろ「薬を減らした」ことである程度は改善したのだ。極端に言ってしまえば、ヤブ医者だったのだろう。
僕の見立てだとこの本の考えの多くはおそらく正しい。ただ鵜呑みにしてはいけない。本が間違っているからではなく、精神病というものがあまりにも複雑な要因からなっていて、必ず治ると断言できる治療がないからだ。ただ複雑で確実な方法がないからこそ、闇が生まれる、という認識は持っておきたい。

関連記事

no image

シードル

WEB拍手、リアクションしない時の方が多いんですが、全部読ませていただいています、大変励みになってお

記事を読む

no image

8月28日のバリバラについてダラダラと書いてみる

今日はワンちゃんの散歩(でかい犬なので二人がかり)があってバリバラは録画で観なきゃかな……と思ってい

記事を読む

  • 佐久本庸介と申します! 山梨県からひらきこもりを掲げ、色々なことにチャレンジしていこうと思っています。第一回クランチノベルス新人賞受賞。ディスカヴァートゥエンティワンより青春ロボットドラッグカラーの空という小説を出版しております。皆様どうかよろしくお願いいたします!
PAGE TOP ↑