図書館宇宙1

今日はアガサクリスティーの「三幕の殺人」という本を読み終わったのだけど、全く毎度毎度新鮮な驚嘆をいただけるのでまいってしまう。設定上かなり胡散臭い思いで読まされるのだけど、その胡散臭さがまた格別で、後の展開を考えると痺れてしまって仕方なかった。アガサクリスティーはもう亡くなっているけれど、他作が沢山あるからまだまだ楽しみはあるし、作品のパワーのせいでまだ生きてるんじゃないかと錯覚するほどである。

そのアガサクリスティーがある本棚はハヤカワ文庫とかが集まっている場所なのだけど、長年図書館に通っていながら、素通りしていた場所でもあった。図書館というのは広大な宇宙のようなもので、どこを選んでも知り切れない知識で溢れている。小さな図書館一つにしたって、読みつくすことは不可能だろう。

図書館に本格的に通うようになったのは22歳の頃で、初めて読んだのは江國香織の東京タワーだった。ろくに知識がなかったせいでリリーフランキーの東京タワーと勘違いして読んだのだけど、幸い程よく複雑で面白い本だった。ちょうちん袖、という言葉を初めて知ったけれど、江國香織がよく使うワードだと知ったのは大分後のことだった。町田康のパンク侍斬られて候、なんかは途中で笑いをこらえるのが大変だった。読書の面白さをこうして知ったのだけど、体力に限りがあって一冊目を読んでいる途中からしばしば具合が悪くなったので、結局図書館に籠るという程にはならなかった。